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第一回:「プロレスについて」
僕、プロレスが好きなんですよ。僕の生活は演劇とプロレスで占められてると言っても過言じゃない。で、プロレスが好きだってことを人に言うと色々な反応があります。最悪なのが、したり顔で「あれって八百長でしょ。相手の技をよけないじゃん」とか言う人。その時点で「ああ、この人とはわかりあえないな」と悲しくなります。プロレスの面白さがわからない人は演劇の面白さもわからない。僕はそう思ってます。
「八百長」を辞書で引くと、「勝負事で、真剣に争っているように見せながら、前もって示し合わせた通りに勝負をつけること」とあります。仮にプロレスが「八百長」だとしましょうか。でも、それが何だというのでしょう。プロレスに限らず、プロと名のつく興行はお客さんをその入場料に見合うぶんだけ楽しませるのが仕事のはず。
ということはそれが八百長だろうと真剣勝負だろうが、お客さんが入場料のぶん、もしくはそれ以上楽しめればそんなことは関係ないでしょう。八百長だろうが何だろうが面白きゃいいじゃねえか、この野郎!
と、ここまで書いて言うのも何ですが、僕はプロレスを「八百長」だと思っていません。
勿論、子供じゃないんでPRIDEやK−1と同じ格闘技だとも思ってません。でも、前もって示し合わせた通りに勝負はつけてはいないと思うのです。
演劇をやったことがある人ならわかると思うのですが、プロレスは「エチュード」に近いのではないでしょうか。
エチュードとは役者が即興で台詞を喋り、シーンを作っていく方法。ちなみにうちの劇団は全編それで芝居を作っていきます。エチュードで禁物なのは相手の持って来た設定を否定してしまうこと。それでは場面は展開しません。相手が「星がきれいだな」と言ったらそこは夜空が見える場所なのです。まずはその設定に乗ってみる。大事なのは一緒に面白いシーンを作ることなのですから。
プロレスに置き換えてみましょう。大事なのはお客を満足させる試合をすること。だから相手の攻撃をよけないのです。大丈夫、レスラーはそれを受けきれるだけの訓練は積んであります。「何故、レスラーはロープに振られて簡単に戻ってくるのか」よく聞かれる質問ですが、これで説明がつきます。相手の持って来た設定を否定しない。そこから面白い試合ができていくのです。そして最後に一番説得力のある攻撃をした方が勝つのです。とは言っても勝ち負けはあまり関係ありません。レスラーは目の前の相手と戦いながらも二人(タッグマッチだと四人)で協力して観客相手に戦っているのですから。要は客に勝てばいいのです。
どうでしょう。こう考えていくとプロレスと演劇って似てませんか?皆さんも偏見を捨てて一度プロレスを見てみてください。面白いですから。くれぐれも「どうせ、八百長でしょ」なんてセンスのない発言はしないでくださいね。 |
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今林久弥
1972年9月1日生まれ。
早稲田大学在学中に劇団双数姉妹に入団。
以後、猫のホテル、カムカムミニキーナ、拙者ムニエルなど客演多数。
現在、双数姉妹HPで日記連載中。
人見知りで甘えん坊な29歳。動物占いはこじか
関連サイト:双数姉妹(http://www.duelsisters.com/) |
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